調査レポート

【47都道府県調査】地域で違う広告表示と不正出稿の傾向【2026年最新】

Google・Yahoo!の検索広告は、同じキーワードでも検索した地域で出稿者の顔ぶれが入れ替わります。AdCheckerが47都道府県を毎日巡回して得たデータから、地域差の実態・地方限定で便乗する不正出稿の手口・全国監視が必要な理由を整理しました。

この記事でわかること

「東京の本社から検索しても出ていない競合広告が、地方の支店ではなぜか毎日表示されている」。同じキーワードでも、検索した地域が変わると広告の出稿状況はまったく別の姿を見せます。

AdChecker は Google・Yahoo!の検索広告を47都道府県すべてで毎日自動巡回しています。本記事では、その巡回データから見えた地域別の出稿傾向と、地方を狙って便乗する不正出稿の特徴を、広告主・代理店向けに整理しました。

  • ① 調査の概要:47都道府県をどう見ているか
  • ② 地域差の実態:同じキーワードでも出稿者は別物
  • ③ 地方限定出稿の手口:なぜ地方が狙われるのか
  • ④ 全国監視の必要性:単一地点では何割が見えていないか
  • ⑤ 事例:全国巡回でしか見つけられなかった出稿

「うちは商品力で守られているから大丈夫」と感じている広告主ほど、本社からは見えない場所で何が起きているかを一度確かめてほしい内容です。

① 調査の概要:47都道府県を毎日見る監視体制

本記事は、AdChecker が日々の巡回で蓄積している検索広告データをもとにまとめた、地域別の出稿傾向レポートです。

監視体制

  • 対象媒体:Google 検索広告・Yahoo! 検索広告
  • 対象地域:47都道府県すべて
  • 対象デバイス:PC・スマートフォン
  • 巡回頻度:1日1回以上(プランによっては夜間と日中の2回)
  • 記録項目:広告タイトル・本文・表示URL・遷移先・掲載位置・スクリーンショット

47都道府県 × PC/スマートフォン × 毎日の組み合わせで自動的に検索を実行し、表示された広告を全件記録しています。検知時には地域名・時刻・デバイスを紐づけたスクリーンショットを保全しているため、媒体への申し立てに使える形で証拠が残ります。

「主要都市だけ」ではなく47都道府県を見る理由

監視ツールのなかには、東京・大阪・名古屋・福岡など主要都市だけを巡回するものもあります。しかし主要4都市だけでは、便乗出稿者がそれ以外の県を狙ったときに完全に見落とします。地方都市・中堅都市を含めた47都道府県の網羅が、便乗対策の出発点になります。

ツールごとの対応する地域範囲は商標監視ツール比較6選に、5つの選定基準と主要サービスの対応状況を表でまとめています。

② 地域差の実態:同じキーワードでも出稿者は別物

巡回データから見えた典型的な地域差を、ジャンル別に紹介します。

ジャンル1:地域密着型サービス(弁護士・士業)

「弁護士 相談」「税理士 顧問」といった士業系キーワードは、地域ごとに出稿者の顔ぶれが大きく入れ替わります。

  • 東京:大手法律事務所が広告枠の上位を占める
  • 大阪:関西を本拠とする中堅事務所が上位
  • 福岡:地元事務所が中心で、大手が出ていない県もある
  • 鳥取・島根・高知:そもそも広告自体が少なく、競合状況が一変する

同じキーワードでも、競合の数が大きく異なる地域があります。地方では出稿者が少ないぶん、便乗出稿があると目立ちやすくなる傾向もあります。

ジャンル2:全国展開の通販ブランド

全国で売られているブランド(ナショナルブランド)の商品名で検索した結果は、地域ごとに次の傾向が見られました。

  • 都市部(東京・大阪・名古屋):公式サイトと大手ECモールが上位
  • 地方政令市(仙台・広島・熊本など):転売事業者の比率が上がる
  • 県庁所在地より小さい地域:規模の小さな模倣ECや並行輸入(正規ルート外の輸入品)が目立つ

便乗出稿者は、ブランドオーナーの監視が届きにくい地域を意図的に選んで広告を出しています。

ジャンル3:自社ブランド名キーワード

自社名「○○株式会社」「○○サービス」での指名検索は、もっとも地域差が大きく出るジャンルです。

  • 東京:自社の指名検索広告が1位、競合は静か
  • 関西:競合が「○○ より安い」「○○ 代替」と比較訴求の便乗広告を出す
  • 東北・四国・九州の中堅都市:認定外のアフィリエイターが商品ページに誘導

「本社所在地で見えていない=大丈夫」が、いちばん損失を生みやすい盲点です。

③ 地方限定出稿の手口:なぜ地方が狙われるのか

巡回データから見えた、便乗出稿者が地方を選ぶときの典型パターンを整理します。

パターン1:本社所在地を避ける

便乗出稿者は、対象ブランドの本社所在地を意識的に避ける動きを取ります。本社の担当者が日常的に自社名で検索することを想定し、東京・大阪以外の中堅都市だけに広告を出します。

  • 出稿地域:札幌・仙台・広島・福岡などの政令市、もしくは中堅県庁所在地
  • 回避地域:東京都・神奈川県・大阪府・愛知県

地域指定機能で「特定の数県だけに配信」を選ぶだけで、本社からの目視チェックは仕組み上見つけられなくなります。

パターン2:時間帯と組み合わせる

地方限定出稿は、時間帯回避と組み合わさることがよくあります。

  • 平日の業務時間内(10:00〜18:00)は広告を停止
  • 深夜・休日・早朝だけ広告を有効化
  • 担当者が見そうな時間を避けて出稿

地域を絞り、かつ時間も絞ることで、人間の目視チェックでは事実上発見できない状態が作られます。

パターン3:キーワードをずらして狙う

完全一致での商標便乗ではなく、わずかにキーワードをずらす動きも目立ちます。

  • 「○○ 退会」「○○ 評判」「○○ 解約」など、不安系キーワードを狙う
  • 自社が運用していない、検索数の少ないキーワード(ロングテール)に地方限定で出稿する
  • 表記ゆれ・ローマ字表記など、本家が出稿しないバリエーション

「自社名そのものは大丈夫」と思っていても、関連キーワードでの便乗が地方限定で進行しているケースは多くあります。

④ 全国監視の必要性:単一地点では何割が見えていないか

「東京のオフィスから検索すれば、ある程度は把握できる」という認識は、データを見ると次のように崩れます。

単一地点監視で見落とす範囲

全国に配信されている広告はどの地点からでも見えますが、地域を絞って配信された広告は、その地域から検索しないと見えません。地域を絞った出稿について見ると、東京から検索して把握できるのは 東京都向けに配信された広告だけ です。残り46都道府県で別の出稿者が地域を絞って出稿していても、東京の目視チェックでは検知できません。

監視地点 見える地域 見落とす地域
東京のみ 1都道府県 46都道府県
主要4都市(東京・大阪・名古屋・福岡) 4都道府県 43都道府県
主要10都市 10都道府県 37都道府県
47都道府県巡回 47都道府県 0

巡回データから見ると、地方限定で出稿された不正広告の多くは、主要4都市の監視では発見できない位置に出ています。便乗出稿者は監視のすき間を選ぶため、結果として「主要都市以外」に集中する仕組み上の偏りが生まれます。

47都道府県を手で集める難しさ

「自社で47都道府県分の検索を手動で確認することはできないか」という相談を受けることがあります。技術的には次の壁があります。

  • Google は IPアドレス・GPS・Wi-Fi・アカウント履歴を組み合わせて地域を判定する
  • VPNや手動の地域切り替えだけでは、その地域から見た正確な結果を再現しきれない
  • CAPTCHA 対策・IPローテーション・UULE(地域を指定する内部パラメータ)などの継続的なメンテナンスが必要

人件費換算で 月100万円超 になることが多く、47都道府県を自前で回す内製運用が定着している例はほぼ見たことがありません。地域配信の仕組みそのものについては47都道府県で広告表示が違う理由に整理しています。

⑤ 事例:全国巡回でしか見つけられなかった出稿

実際の検知データから、東京視点では見えなかった事例を3つ紹介します。

事例1:通販ブランドが九州3県の転売広告を発見

東京の本社では1年以上気づかれていなかった転売事業者の広告が、福岡・熊本・鹿児島の3県だけで出稿されていました。表示価格は正規より2割安く、遷移先は無名のショッピングサイト。検知後、媒体への申し立てで2週間以内に広告は停止しました。本社の担当者は「うちのブランドで転売が出るなんて思っていなかった」と話していました。

事例2:人材紹介サービスが認定外アフィリエイターを北日本で検知

自社のアフィリエイトプログラムに参加していない事業者が、北海道・東北・北陸の中堅都市で「○○ 評判」「○○ 退会」といった不安系キーワードに広告を出していました。本社の所在地である東京・大阪では沈黙していて、地方だけで稼働。検知後はASPと連携して全国で出稿を停止しています。

事例3:法人向けクラウド型サービスが競合の比較便乗を地方で発見

東京・大阪では競合が静かなのに、地方の県庁所在地だけで「○○ より安い」「○○ 代替」という比較広告が出ているケースです。地方の中小企業を狙った便乗で、3か月の損失額を試算したところ、月数百万円規模に達していました。本社視点では「最近、競合は静かだな」と感じていたタイミングです。

3例に共通するのは、東京・大阪では出ていないことです。便乗出稿者は気づかれにくい地域を選ぶ前提で動いていて、本社の目視チェックでは仕組み上見つけられません。

まとめ

  • 検索広告は地域配信の仕組みで都道府県ごとに表示が変わるため、同じキーワードでも検索した地域が変われば別の広告が見える
  • 巡回データから見ると、士業・通販・自社ブランド名のいずれも地域ごとに出稿者の顔ぶれが大きく入れ替わる
  • 便乗出稿者は本社所在地・主要都市・業務時間帯を避ける動きを取り、結果として地方の中堅都市・夜間・休日に集中する
  • 主要4都市の監視では地方限定出稿の多くを見落とすことになり、便乗対策には47都道府県の網羅が前提
  • 自前で47都道府県を回す内製運用は人件費換算で月100万円超になりやすく、専用ツールのほうが結果的に安い

AdChecker は、Google・Yahoo!の検索広告を全国47都道府県・PCとスマートフォン両対応で毎日自動巡回し、検知時には地域・時刻・デバイスまで紐づいたスクリーンショットを自動保全します。御社のブランド名で、いまどこかの県で何が起きているかをまず把握するところから始めてみてください。

あなたのブランドを、勝手に使わせない。

AdChecker は Google・Yahoo! の検索広告を全国47都道府県・24時間自動監視。 競合や転売業者の不正出稿を、証拠スクリーンショット付きで即時通知します。

無料で資料請求する

関連記事