検索結果2ページ目に隠れる不正出稿の実態と発見方法
検索広告の不正出稿は1ページ目だけに出るわけではありません。2ページ目以降に潜む不正出稿の典型パターン、見落とされる仕組み、発見方法、放置した場合の損失、継続監視の進め方を、広告主のマーケ担当者向けに整理しました。
この記事でわかること
「自社のブランド名で検索しても、1ページ目に怪しい広告は出ていない」「監視ツールでも何も検知されていない」。それでも被害が止まらない、指名検索のCPCがじわじわ上がっている、という相談は少なくありません。
実はその不正出稿、検索結果の2ページ目に隠れていることがあります。広告主の目視チェックや、1ページ目だけを巡回する監視ツールではほぼ素通りになる位置で、出稿者にとっては「目立たないが確実にクリックを取れる場所」として機能します。
この記事では、広告主のマーケ担当者向けに、検索結果2ページ目の不正出稿について次の順で整理しました。
- なぜ不正出稿が2ページ目に隠れるのか(出稿者側の動機と、見落とされる仕組み)
- 監視で観測される5つの典型パターン
- 2ページ目まで踏み込んで発見する方法
- 放置した場合に積み上がる4つの損失
- 2ページ目を含めた継続監視の進め方
最後まで読むと、自社の監視運用が1ページ目だけに偏っていないかを点検でき、見落としの仕組みに手を打てる状態になります。商標監視ツール全体の選び方は商標監視ツール比較6選 料金・機能・選び方を徹底解説【2026年版】にまとめています。本記事は、その手前で「そもそも何を監視対象にすべきか」を見直すための内容です。
① なぜ不正出稿は2ページ目に隠れるのか
検索広告は1ページ目に集中していると思われがちですが、Google・Yahoo!の検索結果は2ページ目以降にも広告枠があります。クリック数こそ1ページ目より少ないものの、不正出稿者にとっては「検知されにくい場所」として合理的な選択肢になっています。
出稿者側に2ページ目を選ぶ動機がある
不正出稿者が2ページ目を狙う理由は、大きく3つです。
- 発見されにくい:広告主・代理店の目視チェックはほぼ1ページ目で止まる。監視ツールも、1ページ目しか巡回しない仕様だと検知できない
- 入札単価を抑えられる:上位を狙わず低い入札額にとどめると、結果として下位や2ページ目に表示される。広告費を抑えながら出し続けやすい
- 継続しやすい:通報されにくいので、長期間にわたって便乗出稿を続けられる
「目立たない」ことが、出稿者にとっての最大の価値になっています。
見えていないのは仕組み上の問題
問題は、ほとんどの目視チェック・監視運用が1ページ目を前提に設計されていることです。担当者が自社のブランド名で検索しても、1ページ目だけ見て「問題なし」と判断するのが普通で、2ページ目までスクロールする習慣はありません。
監視ツールの中には1ページ目のみを巡回対象にしているものもあります。ツールを導入した安心感の裏で、2ページ目の不正出稿は素通りされ続けるという状況が生まれます。
1ページ目から「降りてきた」出稿者が多い
もう一つ重要な視点は、1ページ目で通報・申告を受けた出稿者が、再出稿時にあえて2ページ目に潜るパターンです。一度通報された出稿者は「同じやり方では再申告される」と学習しています。広告文の表現を弱めたり入札を下げたりした結果、掲載順位が下がって2ページ目に回り、監視の網をかいくぐることがあります。
そのため2ページ目の不正出稿は、「通報を経て生き残った、対策に慣れた出稿者」が中心になりがちで、放置するほど対策が打ちにくくなる性質があります。
② 監視で観測される5つの典型パターン
実際の監視運用で見える、2ページ目に隠れる不正出稿の代表的なパターンを5つに整理します。自社が受けている被害がこのどれに近いかを見極めるのが、対策の出発点です。
パターン1:アフィリエイト経由の便乗出稿
ASP経由のアフィリエイターが、報酬目当てで自社ブランド名のキーワードに広告を出すケースです。1ページ目で通報・除外措置を受けた経験のあるアフィリエイターほど、2ページ目で同じ商材を別ドメイン・別アカウントから再出稿する傾向が見られます。広告文には商標表記を避け、表示URLや遷移先のページで便乗するため、広告本文だけ見ても気づきにくい設計です。アフィリエイト経由の不正対策はアフィリエイト不正出稿の対策と発見方法で扱っています。
パターン2:地方・夜間・スマホ限定の出稿
2ページ目の不正出稿は、「特定の都道府県・時間帯・デバイスでのみ掲載」されているケースが目立ちます。担当者が東京から日中にPCで検索しても出てこないのに、地方都市で深夜にスマートフォンから検索すると掲載されている、というパターンです。配信先を絞り込むことで他社の出稿との重複を避け、検知の網からも外れやすくなります。地域による広告表示の違いは広告は47都道府県で表示が違う 全国監視の重要性で詳しく整理しています。
パターン3:競合代理店の「控えめな」指名検索の割り込み
直接の競合企業ではなく、競合の運用代行を担当する広告代理店が、自社のブランド名を入札キーワードに含めて2ページ目に広告を出すケースです。広告文には自社ブランド名を出さず、業界一般の表現を使うため一見問題ないように見えますが、入札ベースで指名検索のクリックを少しずつ奪っていく形態になります。代理店経由の便乗出稿の見抜き方は広告代理店による商標便乗出稿のリスクと対策で詳しく整理しています。
パターン4:商標の表記ゆれ・略称を使った出稿
正式な商標表記ではなく、カタカナ表記・英語表記・略称・スペース有無・誤字といった表記ゆれを使った2ページ目への出稿もよく見られます。「正式表記で監視していれば大丈夫」と思っていると、表記ゆれの出稿は素通りします。1ページ目は正規表記での競合が激しいぶん目立ってしまうため、出稿者は表記ゆれを使って2ページ目に逃げる、という構図です。
パターン5:再出稿のリトライ
通報・申告を受けて広告が止まった出稿者が、広告アカウント・表示URL・遷移先のドメインを変更して2ページ目から再出稿するパターンです。同一の遷移先ページに別ドメインから誘導するなど、ドメイン単位で監視していると検知しにくくなります。継続監視がないと、申告したあとも「いつの間にか別の入り口から戻ってきている」状態に陥ります。
5つのパターンに共通するのは、いずれも「目視」「1ページ目限定の監視」「単発の通報」では網にかからない性質です。
③ 2ページ目の不正出稿を発見する方法
実務でできる発見方法を、自分でできる範囲とツールが必要な範囲に分けて整理します。
自分で確認するときの手順
ツール導入前に実態を把握したい場合、以下の手順で実測できます。
- 自社のブランド名・商標・サービス名・略称・表記ゆれをすべて書き出す(10〜30個程度)
- シークレットブラウザで、各キーワードを検索する
- 2ページ目まで必ずスクロールし、広告の有無を確認する
- PC・スマホの両方で確認する
- 出張・帰省などで、複数の地域から検索する
- 平日昼・週末・深夜の3時点で時間帯を分けて確認する
ここまでやって初めて、自社の検索結果の現状が見えます。ただし、これを毎日継続するのは現実的ではありません。
目視チェックの限界
実際にこの方法を試すと、すぐに次の壁にぶつかります。
- 全国47都道府県の検索結果は1拠点からは見られない
- 24時間体制で時間帯を網羅できる担当者はいない
- 検知しても、申告に使える形での証拠保全が間に合わない
- キーワード数×地域×時間帯になると、件数が増えるほど手が回らなくなる
- 担当者の異動・休暇で監視が止まり、特定の担当者頼りになる
「2ページ目まで毎日見る」を手作業で支えるのは、対象が増えるほど限界に達します。
ツールを使う場合に必須の確認項目
監視ツールを検討する場合、「2ページ目以降も巡回対象に含まれているか」を必ず確認してください。公式サイトに記載がない場合は、商談・問い合わせの段階で次の質問をします。
- 検索結果の何ページ目まで巡回しますか
- 2ページ目の広告も、1ページ目と同じ証拠(スクリーンショット・掲載順位)として記録されますか
- 表記ゆれ・略称はいくつまで監視対象に登録できますか
- 検知履歴は地域・デバイス・時間帯と紐づいて保存されますか
- 申告に使える形(CSV出力・スクリーンショット保存)で履歴を残せますか
監視ツールの選定基準全体は商標監視ツール比較6選 料金・機能・選び方を徹底解説【2026年版】で詳しく整理しています。
④ 2ページ目を放置した場合の4つの損失
「2ページ目だからクリックは少ないし、放置しても影響は小さいのでは」と考える担当者もいますが、実態は逆です。放置するほど損失が積み上がる仕組みになっています。
損失1:申告を生き残った出稿者が居座る
1ページ目で通報した出稿者が2ページ目に降りて出稿を続けていれば、申告の効果は半減します。「申告したから安心」ではなく、申告後も継続監視しないと、同じ出稿者からの被害が続きます。
損失2:指名検索のCPCが押し上げられる
2ページ目に不正出稿者がいると、その出稿者の入札がオークション全体の競争を強め、自社の指名検索広告のCPCを押し上げることがあります。1ページ目の自社広告には直接の影響が見えにくくても、入札市場全体ではコストが増える場合があります。指名検索のCPC高騰の見方は指名検索のCPCが急に高騰した時に疑うべき5つの原因と対策で整理しています。
損失3:長期化するほど対策が難しくなる
2ページ目に居座る出稿者は、通報・申告を経験して「対策に慣れた」状態になっていることが多く、単発の申告では止まりません。広告アカウント・ドメイン・遷移先ページを切り替えながら再出稿を繰り返すため、検知 → 申告 → 再監視のループを継続的に回す体制がないと、根本的な解決には至りません。
損失4:ブランド価値の低下が静かに進む
1ページ目より目立たないとはいえ、2ページ目までスクロールするユーザーは「より深く情報を比較したい層」です。その層に対し、品質の低い遷移先や誤認させる広告文が表示され続けると、ブランドへの信頼が静かに削られていきます。被害が表面化しにくいぶん、対応も後手に回りがちです。
⑤ 2ページ目を含めた継続監視の進め方(4ステップ)
最後に、2ページ目の不正出稿に手を打つための具体的な進め方を4ステップで整理します。
ステップ1:監視対象キーワードに「表記ゆれ」を加える
正式な商標表記だけでなく、カタカナ・英語・略称・スペース有無・誤字を含めて監視対象に追加します。出稿者は正規表記を避ける傾向があるため、表記ゆれを網羅すること自体が2ページ目の検知率を直接押し上げることになります。10〜30語の登録を目安に、社内のブランド担当・法務とすり合わせて確定するのが安全です。
ステップ2:2ページ目以降も巡回するツールへ切り替える
現在の監視運用が1ページ目のみであれば、2ページ目まで巡回するツールへ切り替えます。AdChecker は検索結果2ページ目までを標準で巡回対象とし、スクリーンショット・掲載順位・地域・デバイスの情報を紐づけて記録します。
ステップ3:地域・デバイス・時間帯を網羅する
2ページ目の不正出稿は「特定の地域・デバイス・時間帯」に偏ることが多いため、全国47都道府県・PC/スマホ・24時間を網羅した監視が前提になります。1拠点・PCのみ・日中だけの監視では、典型的な隠れ出稿は素通りします。
ステップ4:申告と再監視のループを止めない
検知して証拠を保全し、媒体社へ申告したあとも、同じ出稿者・同じ遷移先・別ドメインからの再出稿を継続監視します。単発の対応で完結させず、検知 → 証拠保全 → 申告 → 再監視のループを回し続けることが、対策に慣れた2ページ目の出稿者に対する有効な打ち手です。
まとめ
検索結果の2ページ目は、不正出稿者にとって「目立たないが確実にクリックを取れる場所」であり、通報を生き残った対策に慣れた出稿者が居座りやすい位置になっています。1ページ目だけを見る目視運用や、1ページ目に絞った監視ツールでは、仕組み上、発見できません。
自社の監視運用は、検索結果の2ページ目までを巡回対象に含めているか。表記ゆれや略称、地方・夜間・スマートフォン限定の出稿まで網羅できているか。この2点の点検から、2ページ目に隠れる不正出稿への対策が始まります。AdChecker はGoogle・Yahoo!の検索結果を全国47都道府県・PC/スマホ・24時間で自動巡回し、2ページ目までを証拠スクリーンショット付きで記録します。
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